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平成26年度 年 頭 所 感


年 頭 所 感

一般社団法人 日本金型工業会 会長

牧 野 俊 清

平成26年の新春を迎えるにあたり、謹んで会員の皆様、関連官公庁、関連業界の皆様にお慶び申し上げます。

‘089月のリーマンショック、円高、‘113月の東日本大震災が、日本経済を苦しみ続けておりました。特に円高は’0761ドル124円だったのが、政治の無策か大震災後も続き、’122月には76円と163%も高くなりました(対中国135%、対韓国196%)。日本製品が6割も高くなったのです。各国の物価上昇率との差異があるにせよ、日本のものづくりの競争力が落ちるのが当然です。その結果、自国通貨ベースのGDPは、’12’07と比較すると、日本93%、中国198%、韓国131%、米国112%となってしまいました。幸。アベノミクスによって経済環境は好転しつつあります。昨年は103円くらいに戻しており、製造大企業は高収益を得始めています。

金型業界においては、金型の昨年10月までの1年間の生産額は、一昨年とほぼ同様ですが、リーマンショック前2007年の7割と緊急事態が続いております。型種、需要業界の違いもあり、会社によって、業績は様々のようです。機械統計では、鍛造専業金型がリーマンショック前の1.7倍であり、大型プレス専業金型も現在活況のようです。

大企業の新製品開発が円高・大震災等により停滞していたかもしれませんが、好業績をあげられたことにより、顧客は、その利益を新製品開発(金型発注)、価格見直しに振り向けていただきたく思います。2020年の東京オリンピック招致の決定もあり、今年の金型業界、製造業界、日本経済が良いことを期待します。

昨年3月、経済産業省で「新素形材産業ビジョン」が作成され、工業会でも「新金型産業ビジョン」の作成を、3月完成を目処に進めています。金型業界の将来を担い、将来のあり方に最も影響される、若手を中心に議論をしていただいており、金型業界に密接に関与されている有識者の応援もいただき、皆様にお役にたつものになると確信しております。

「新金型産業ビジョン」として、①技術力、②営業力(発信力)、③新分野への展開と付加価値向上、④海外市場とグローバル展開、⑤人材(経営者・社員)等が検討されています。

日本金型工業会は、事務局員数が昨年より少なくなりましたが、東京・名古屋・大阪の3事務所にて、ウエブ環境の活用による役割分担した一体化を進め、会報・ホームページのリニューアル等、サービスの拡充を進めており、会員も若干ではありますが増加しております。また、さらに新たなご入会が増えることを期待しております。

緊急事態が続く今年においても、会員、賛助会員、顧客、経済産業省素形材産業室始めとした監督官庁、学会の大きな応援により、この難局を、「元気な業界」として乗り越えていきたく思う所存でございます。皆様のご理解ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせて頂きます。

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